EMEA天然ガス最新情報:イラン紛争による供給リスクの高まりを受け、先物価格は3カ月ぶりの高値に迫る
欧州天然ガス先物価格は木曜日、再び上昇し、3カ月ぶりの高値付近で取引された。イランに対する米軍の攻撃激化と、イランによる地域エネルギーインフラへの攻撃予告が、世界のエネルギー供給への懸念を強めたためだ。 期近のオランダTTF先物価格は1.696%上昇し、1メガワット時あたり55.270ユーロとなった。一方、期近の英国NBP先物価格は0.917%上昇し、1サーモあたり132.080英ペンス(1.78ドル)となった。 市場心理は、イラン軍が米国との交戦激化を受け、ホルムズ海峡は依然として「越えられないレッドライン」であると警告したことで、中東における地政学的緊張が高まったことが背景にある。 イラン当局は、ドナルド・トランプ米大統領がイランのインフラへの攻撃予告を実行に移した場合、「地域全体のインフラをすべて破壊する」と述べたと、複数のメディアが木曜日に報じた。 エネルギー供給への懸念がさらに高まる中、ロイター通信は木曜日、イランがイエメンのフーシ派に対し、米国がイランの電力インフラを攻撃した場合、紅海石油輸送ルートを封鎖する準備をするよう要請したと報じた。 こうした地政学的リスクの高まりは、冬の暖房シーズンを前に、欧州がガス貯蔵の見通しをより厳しくする中で起こっている。 欧州ガスインフラ協会(GIE)のデータによると、欧州のガス在庫は容量の52.77%にとどまり、昨年同時期の63.32%を大きく下回っている。 スイス連邦エネルギー庁によると、在庫は同時期の過去5年間の平均68%も下回っている。 マインド・エナジーは木曜日、「欧州とアジアは、夏の残りのLNGを巡って競争を強いられることになるだろう。現在の猛暑が夏の後半まで続けば、競争はさらに激化するだろう」と述べた。 LNG市場では、すでに地域的な競争激化の兆候が見られる。ロイター通信は火曜日、アジアの液化天然ガス(LNG)輸入量が7月に6カ月ぶりの高水準に達する見込みである一方、欧州の輸入量は約2年ぶりの低水準に落ち込むと報じた。 ロイターによると、アジアの需要増加は夏の季節的な消費増が一因となっているものの、欧州の輸入減少は、冬を前にしたガス在庫の補充が遅れていることを示しており、供給ショックや地政学的混乱への脆弱性が高まっている。