富士フイルム(TKO:4901)は、AI関連半導体材料の堅調な需要とInstaxカメラの復活がヘルスケア事業の売上急減を相殺し、2025-2026年度の業績が過去最高を記録した。
同社の株主に帰属する純利益は、3月31日終了年度において前年同期比6%増の2,767億円となり、前年同期の2,609億円から増加した。
1株当たり利益は前年同期の216.46円から229.45円に急増した。
営業利益は、米国の関税引き上げや原材料費高騰にもかかわらず、前年同期比6.1%増の3,502億円となり、売上高は前年同期比5%増の3兆3,570億円となった。
同社の事業セグメント全体を見ると、ヘルスケア事業の売上高は4.9%増の1兆1000億円となったものの、営業利益は前年同期比20%減の636億円に落ち込んだ。これは、中国における医療用品需要の低迷と、新規バイオCDMO製造施設の初期費用増加が主な要因となった。
同社は今年、ノースカロライナ州に大規模工場を開設し、第1期として2万リットルの哺乳類細胞培養バイオリアクター8基の稼働を開始した。また、英国にも原薬およびプロセス開発施設を新たに開設した。同社は、ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下のJanssen Supply GroupおよびリRegeneron Pharmaceuticalsと長期製造契約を締結している。
イメージング事業は、4つの事業部門の中で最も高い売上高成長率を記録し、15.7%増の6271億円、営業利益は15%増の1600億円となった。
富士フイルムは、「コンシューマーイメージング事業は、インスタントカメラ『instax』の販売が引き続き拡大し、累計販売台数が1億台を突破したことで、売上高が増加した」と発表した。
また、エレクトロニクス事業は、自動車や家電製品など幅広い製品における半導体需要の好調により、売上高が11.9%増の4,562億円、営業利益が34.4%増の1,009億円となったと発表した。
さらに、「当社の半導体材料事業は、AI半導体の需要を着実に捉え、売上高の増加につながった。大手ファウンドリへの販売は引き続き好調で、米国および韓国の大手半導体メーカーへの販売も回復傾向にある」と付け加えた。
同社は、期末配当として1株当たり35円、年間配当総額は1株当たり70円となる予定だ。
富士フイルムは、2026年度(2027年度)の純利益を前年比1.2%増の2,800億円、売上高を同3.4%増の3兆4,700億円と見込んでいる。
この見通しは、新たに開設した大規模バイオCDMO製造工場の操業拡大と半導体材料の売上増加によるものだと富士フイルムは説明している。
同社は、中東戦争による原材料価格やエネルギーコストの上昇が通期業績見通しに及ぼす影響は織り込んでいない。
しかしながら、原油価格が1バレル100ドルで推移した場合、四半期当たりの営業利益が300億円から400億円減少する可能性があると指摘している。